NCJが、1ヶ月の収益と同額相当の5億円を寄付するという。
NCJの経営状況等に無頓着な1プレーヤーとしては、少し誇らしいなぁと感じた。
一方、企業人の立場からすると、やはり「え?」ってなってしまう。
5億という数字ではなく、「1か月分の収益」に「え?」。
会計的には、収益=売上収入(厳密には違う解釈もありますが、一般論として)
任天堂の2010年3月期決算の年間売り上げは1兆4千億↑。12ヶ月で割ると1千百億円。
NCJが5億寄付するということは任天堂なら1千1百億寄付するということと同義。
ちょいと乱暴な計算ですが、1ヶ月の収益をベースに計算するとこうなる。
1ヶ月分の収益5億を寄付と聴いた瞬間、正確に計算したわけではないが、感覚的に 「え?」と思う理由はご理解いただけると思う。
任天堂3億、NCJ5億、NCJ太っ腹~ってレベルじゃない。
[追記]
気になって、NCJの売り上げ情報無いかと調べたら、今年2月のGamespotが発表した2010年度NCの連結決算情報で以下の情報があった。
地域別売上では、韓国 4,166億ウォン(約309億円)、日本 792億ウォン(約58億円)、北米 486億ウォン(約36億円)、ヨーロッパ 343億ウォン(約25億円)、台湾 224億ウォン(約16億円)で、ロイヤリティ部分は 487億ウォン(約36億円)を記録した。
ということで、1ヶ月の収益=5億円という数字そのものは決算情報と合っているようだ。
さらにNCの純利益率をみると
NCsoft は 2010年の年間実績による決算結果を売上 6,497億ウォン(約482億円)、営業利益 2,429億ウォン(約180億円)、当期純益1,738億ウォン(約129億円)に達したと 10日発表した。
売上、及び、営業利益は前年比それぞれ 2% と 4% 増加して、当期純益は前年対比 6% 減少した。
ということで、およそ27%程度ということが解る。
任天堂の2010年3月期の純利益は2300億(純利益率およそ16.5%)
NC発表から推定するに、日本では年間純利益15.5億程度。
純利益ベースで任天堂と比較すると
NCJ5億=任天堂741億の義援金という計算になります。
下に書いてあるように、今回の義援金の決定には韓国NCの首脳陣が訪日して決めたとの事。
単純にNCJが5億の義援金ではなく
韓国をふくめたNCグループがNCJを通じて5億円の義援金を寄付ということならば(それでも企業規模からすれば破格の額ですが)、経営的にみて「え?大丈夫?」感は少なく、素直に賞賛!かな。
[追記以上]
義援金の額を決める要素としては、上場会社と非上場会社では当然異なる。
いずれにしても、会社経営陣の考え方と会社の経営状態とのバランスを考える必要がある。
上場企業の場合は、株主をはじめとするステークホルダーへの配慮も必要となる。
断言は出来ないが、株主配当に影響するような額を寄付するということは、上場会社では考えにくいと思う。
したがって未上場会社のNCJの寄付金額と一般の上場会社の寄付金額を一線に並べて比較するのは、ちょいと乱暴かな。
NCJのほうが、経営陣が決めさえすれば、寄付金額を多く出すことに抵抗が少ないはずだ。
それを差し引いても1ヶ月の収益に相当する5億円というのは大きい。(税制上の優遇があるにしても)
収益(売上)から収益を得るために必要な費用等を差し引いて会社の利益となる。
差し引かれる仕入高や人件費、設備費などなどの売上原価や販売管理費の割合は会社によって違う。
商品を仕入れて販売する流通系企業では、売上-仕入で10%の利益などということが当たり前。
そこから人件費などの販売管理費を差し引いて会社の利益となる。
1ヶ月の収益を寄付したら、年間の利益が吹っ飛ぶことも考えられる。
情報サービス産業では、社内で開発したソフトウェアを販売したり、NCJのように開発済みのソフトウェアを使って収益を上げるため仕入れは少なく利益率は一般的に高くなる。(その代わり人件費の比率は上がりますが)
ちなみにうちの会社も情報サービス産業ですが、1か月分の収益を寄付したら、赤字転落しそう。
そしてそれは、取引先や社員、社員のご家族等、会社を取り巻く多くの人たちに迷惑をかけるし、納税すらできなくなってしまう。
企業の大小に関わらず、1か月分の収益というのは、それほど大きいということです。
さらに、NCJの今までのサービスの質やコンプライアンス、CSR(企業の社会貢献への取り組み)を見るとき、今回の義援金の額とのギャップに少なからぬ違和感を覚えてしまう。
もっとも今回の義援金額の決定には、韓国NCの首脳陣も関わったとのリリースもあることから、NCグループ総力を結集しての決断なのかも知れません。
まぁ、NCJの財務内容云々は置いといて、被災された方々にとっても5億円はとても貴重なものであることも事実。
素直に賞賛すればいいのかもしれませんね。
こんな見方をする人も居るということでした。
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以下ニュースリリース引用
(黄色文字は筆者が色付け)
エヌ・シー・ジャパンは、「東北地方太平洋沖地震」被災地への支援ができないか対応を検討し、同社ゲームサービスを利用中のユーザーと共に前へ進むべく、被災地への全面的な支援として地震発生の2011年3月11日(金)から1ヶ月間の同社収益と予想される5億円を義援金として寄付することを決定した。
今回寄付が予定されている5億円の収益予測には、多くのユーザーから決済されたゲーム代金およびplayncショップにおけるアイテム販売なども含まれており、「自分も何かできないか」と考えている多くのユーザーの想いと同社の想いが合わせて被災地の復興や、被災者の支援に役立てられる。
また同社は日本全国のユーザーに対して、一時的にオンラインゲームの運営サービスを停止するのではなく、サーバー稼働用の必要最小限の電力は確保しつつ、その他のコストを極力削減し、運営を今後も継続させることに最終決定。ちなみに今回の決定には、地震発生を受けて急遽本社である韓国のNC softより経営陣が来日し本日までユーザーのために最大限できうることを模索した結果の発表となっている。
なお、本件につきいは、同社がサービスしている『リネージュ』『リネージュ2』『タワー オブ アイオン』『雀龍門2』の各タイトルの公式サイトにおいても同時に発表されている。
◆同社が実施する支援施策について
【支援項目】
(1)義援金として震災発生の2011年3月11日(金)から1カ月間の同社収益と予想される5億円を寄付。寄付先については、現在検討しており後日発表。
(2)ゲームサーバーの稼働を維持継続させる必要最低限の電力確保のため、電力消費を伴うその他のコストの極力削減を地震発生直後より実施中。
(3)現在、被災され長期間ログインできない地域のユーザーに対する補償を準備。詳細は後日お知らせ。
被災者を助けるための義援金。
企業体としての意図や制度上の色々があるにしても、
個人ではできないことを、企業がやってくれたということ。
重要なのは、そこ「のみ」と言ってもいい。
ありがとう、がしっくり来る言葉かもしれない。
でーにっつさん、コメント有難う。
経営人として素直にありがとうとはいえない感がつきまとう。
あくまでNCJ単体で考えた場合だけどね。
個人として私財をなげうって寄付はいいのだけど、企業としては本文にも書いたけれど常に経営責任が付きまとう。
そして、日本の経営では、昔記事にしたけど普段から「三方良し」が美徳とされている。
売って良し、買って良し、世間良し。
ちょっとまてよ、確かに非常時だけど、ほんとに経営責任の範囲でそんな金額だせるの?逆に出せるとしたら普段どんな商売してるんだよ?って感じかな。
過ぎたるは及ばざるが如し、身の丈にあった経営感覚。
要は程度問題ってこと。
私が小さい人間なのかもしれませんが、私の常識をはるかに超えた拠出割合です。
寄付をしたという善行のみを評価するのではなく、普段の企業としての活動や寄付を出すことによる企業活動への影響(安定的な企業活動継続、今後のサービスやひいては従業員の待遇、当然の義務である納税など)を含めての感覚。
不謹慎の記事でも書いたけど、一面的ではなく多角的に考えるとという感じです。
当然NCJ・NCはそういうことを考慮した上で、さらに国際連結決算と寄付金に関する取り扱いなどを考えた上で寄付金額を決めているだろうし、そういう精査をしっかり行ったうえで決めているとしたら、そのほうを評価します。
というか、私ごときが「どうなのよ?」なんてのは大きなお世話ですね。
でも、やはり取引先でNCJと同規模(財務内容と寄付金額のバランスで)の寄付をする先があったら、
「あそことの取引は慎重にしなさい。」と指示するかな。
NCグループ全体としてなら、「やってくれたな、有難う!」
そんなところです。
良いほうにも、悪いほうにも常に斜め上を行くNCJ、がんばれ!
NCJは基本的に人件費、広告費、ライセンス料、オフィス賃料、サーバーリース、
大体この辺りが経営にかかる費用なので(あとはオフイベなんかもあるかな)、
在庫の概念も基本的になければ(ショップでパッケや変なの売ってはいるけど)、
流通にかかる費用なんかも普通の製造業あたりと比べれば小さなもんなのかなと。
つまり一度稼動を始めてしまえば商品原価が著しく安価で済んでしまうわけで、
リネのように安定していれば利益率はかなり高いんだろう、といい加減に考えます。
ただし安定させるのが凄く難しい。
リネなんかを見るとえげつないアイテムの売り方をしているけれど、
それは結局ゲーム内でいい思いをしたいユーザーの側にも責任があって、
「そういう商売を支えているユーザー」もまた罪深きものかな…と。
属性スクで一喜一憂しているナイトやWIZとかね^^
まぁNCJの運営に改善点がてんこもりなのは従来の意見のままですが。
拠出割合的にどうなのよ、という点に関しても、経営が傾いたりだとか、
会社の内部環境を著しく悪化させるほどの無理な拠出をはたしてするか?
というと腐っても業界で10年近く生き残っている老舗企業だから…と考えるし、
やはりNCJ単体での寄付であればもっと小額で終わったものと思います。
>>そういうことを考慮した上で、さらに国際連結決算と寄付金に関する
>>取り扱いなどを考えた上で寄付金額を決めているだろうし、
>>そういう精査をしっかり行ったうえで決めているとしたら、そのほうを評価します。
まぁ、要するにそうした結果がこの金額なんでしょうね。
災害時にえげつない商売(弁当3,000円とかね)をやるところが事後に潰れたり、
逆にそういう時だからこそ値下げ販売する企業が極めて高く評価される、
そういう日本の傾向に則して今後の足がかりにしよう、という「投資」であるのでは。
そんなことを考えます(特設サイトをアイオンドメインにおいたりねw)。
まぁ、今回5億円出しても出さなくても、NCJの運営体質には影響しないわけで、
つまり今まで5億円出してなかったけどグダグダ運営だったということで、
要するにその5億円を良質な運営の実現に使うということはないと言い換えられる。
よってどの道一貫してグダグダ運営なら、こういうときに大金を出すなら誉めたい、
そして実際に被災地で苦しんでいる人には、善意の金も打算の金も同価値であること。
そしてNCJのように「ありえない寄付」をやっちゃう会社と取引をしない以上は、
もう一ユーザーとして「すげーな、奮発したな、よくやった!」で済ますのが気持ちいい。
長々と書きましたが、まぁ、そんな感じ?
でーにっつさん、丁寧なコメント有難う。
結論は、でにつさん「有難う」、私「ちょい懐疑的」(ほんとに出すのじゃなくて、そんなに出して大丈夫?)なんだけど、考えてることは大同小異です。
寄付したことは良しとして、これからは5億もの寄付を出すにふさわしい会社(サービス内容含めて)になって欲しいですね。
でにつさんのコメント読んで、リネージュというコンテンツというか箱が如何に偉大であるかという事を再認識。
運営のチョンボをものともせず、クールなナイト様やクレバーなWIZ様すらカイモチャージしまくり、5億寄付できるだけの金を集めているんですねぇ。(ALL NCとしても)
なんとなく、出したんだから素直にありがとう(一般論としてではなく、NCJ様だからという意味で)という気分になってきたなぁ。
ありがとうでした。
自分で書いておいて「NCJの運営がよくならない前提」の展開に苦笑したりして…
普段が「期待できないNCJ」だったからこそ5億のインパクトもまた絶大で…なんてね。
今後省エネ経営&計画停電超長期化でNCJの運営クオリティもナイアガラ!
乞うご期待!
でーにっつさん、返信ありがとう。
INしてないんで良くわかりませんが、モンス動かないとかメンテナンスの予定がわかりにくいとか、ナイアガラの徴候でてるのかなw
またよろ!
あまりリネもしてませんが、PC買い替え時期にきてまして、
OSをWIND7 Pro64Bitにと思ってます。
たしかグキさんWIND7だった気しますが、(間違ってたらごめんW)
リネ、サクサク動いてますか?
Nyoさん、コメント有難う。
私のOSはWin7の32bitですが、リネージュ、動いてますよ。
という事で32bit版前提ですが。
XPあたりからの乗換えで、WIN7初めて使うという事だと、プログラムの実行権限の問題とか、リネに限らず最初は戸惑うかもしれません。
基本は、プログラムを「管理者モード」で起動するとXPと同じになります。
私は、プログラムごとにいちいち管理者モード起動とかプロパティ設定が面倒なので、大元のUACを切っちゃってます。(セキュリティレベルが低くなる・・・今のところ問題は起きていませんが)
あくまで私の環境でという前提ですが、このblogの検索でwindow7のキーワードで検索すると、困ったことその他対応したことなど記事が出てきます。
64bit版でもリネージュは動くようですが、私自身が試したわけではないので・・・
またよろ~