〜私はアルファロメオが通るたび脱帽する ヘンリー・フォード〜
1970年代後半、晩秋の横浜海岸通り。雨上がりの深夜の交差点。ぬれた路面に銀杏の葉が落ち、対向車線の赤いシグナルが反射する。 免許を取り立ての私は、中古のブルーバード510SSSを止めて煙草に火をつけた。そのとき、交差点を横切る一台の車が私の眼を釘付けにした。 決して大きくはないGTタイプの小型車。独特のエキゾーストノートと共にややテールを沈めながら走り抜ける銀メタの車。その一瞬の出会いが、私をAlfaRomeoの世界に引き込むことになった・・・・ ----------------------------------------------------------- ちょっとかっこよく書いたけど、あのときの光景は今でもはっきり覚えているほど鮮烈でした。その後、あの車はいすゞのベレットGT-Rだと分かったのですが(アルファじゃ無いんです)ベレットGT-Rというとオレンジ色のボディにボンネットを黒で塗装したものが定番でしたね。 その後、ベレットを探して環状8号線から横浜にかけての中古車店を毎週末めぐっていました。 ベレットGT-Rは1963年に生産され、上のエピソードは1970年代終わり頃の事でしたので、生産から15年以上経過していた事になります。当然、程度のいい車は少なくあきらめかけていたときに、ふと展示場の片隅の赤い車が目をひきました。塗装もはげ、明らかに足回りも痛み立っているのがやっとという風情の車でしたが、フラッシュバックした深夜の交差点の風景の中にぴったりはまってしまいました。それが、AlfaRomeoGT1300ジュニア段付きだったのです。 (写真の赤がその車です。白はAlfaRomeo1750GTVです。) 後から分かった事ですが、GT1300Juniorはベルトーネ工房のジウジアーロデザインですが、ベレットもベルトーネデザイン(公表はされていない)ですので、シルエットが似ているのも当然です。
早速、レストアに明け暮れる日々が続きました。その間、ALFA好きの方との交流も始まり、レストアのノウハウやオリジナル部品の調達等情報交換を経て何とかオリジナルの形でレストアが完成しました。 その頃ネコ・パブリッシング(当時「企画室NEKO」)で、心に残る名車の本「ALFA ROMEO」を出版する話があり、表紙・グラビアと記事に私のALFAを載せていただくことになりました。ここに掲載の写真は、そのとき調布飛行場で撮影しグラビアに採用されたものです。
その後、ALFA1750GTV・ALFA2600GT SPRINT等数台のALFAを乗り継ぎましたが、このAlfaRomeo1300GT Juniorが一番思い出深く愛着があります。 ALFA ROMEOについて話し出したら止まりそうもありませんが、とりあえず若き日の思い出、 Memories編はここまで。 続きは、ALFAのスペックや紹介記事などについての予定です。 NEXT>
copyright(c)2001 Guckie. All right Reserved.